退職した後は

退職後は健康保険組合の資格を失い、その後はそれぞれの状況に応じた医療保険に加入することになります。

POINT
  • 退職後はすぐに保険証を返納してください。
  • 一定の条件を満たしていれば、引き続き当健康保険組合に加入できるしくみがあります。
  • 被保険者資格を失ったあとでも、給付を受けられる場合があります。

退職して被保険者の資格を失ったときは、5日以内に保険証を返納してください。その後は、それぞれの状況に応じた医療保険に加入することになります。

退職後に加入する医療保険

退職後
再就職
するとき
1 再就職先が加入している医療保険の被保険者になる
再就職
しないとき
2 当健康保険組合の任意継続被保険者になる
3 国民健康保険に加入する
4 配偶者や子どもの被扶養者になる
75歳以上はすべて後期高齢者医療制度に加入します

引き続き当健康保険組合に加入する場合

退職すると翌日から健康保険の被保険者の資格を自動的に失いますが、一定の条件を満たしていれば、継続して当健康保険組合の被保険者となれるしくみがあります。これを「任意継続被保険者制度」といいます。

任意継続被保険者となれる人

次の全ての要件を満たしていることが必要です。

  • 退職等により健康保険の被保険者資格を失った方
  • 資格を失った日まで継続して2ヵ月以上被保険者であったこと
  • 資格を失った日より20日以内に任意継続被保険者となることの申請をすること

任意継続被保険者になることを検討されている方へ

平成22年4月から、倒産・解雇などにより離職した方および雇い止めなどにより離職した方について、離職の翌日から翌年度末までの間、前年給与所得をその30/100とみなすことで国民健康保険料(税)の負担軽減をする措置が講じられています。

該当される方は、国民健康保険に加入したほうが保険料負担軽減となる場合がありますので、事前にお住まいの市区町村へお問い合わせください(軽減措置を受けるには市区町村への申請が必要です)。

任意継続被保険者でいられる期間

任意継続被保険者となった日から最長2年間です。

  • ※75歳になると後期高齢者医療制度に加入するため、2年以内でも資格を喪失します。

負担する保険料

被保険者の自己負担分と事業主負担分をあわせた全額を自己負担します。任意継続被保険者になると、事業主による保険料負担はありません。保険料は前納制であり、半年単位で納めて頂きます。

標準報酬月額

保険料計算の基礎となる標準報酬は、①資格喪失時の標準報酬月額か、②前年9月末日現在の当健康保険組合の全被保険者の標準報酬月額の平均額を比較して、①と②いずれか低い額に決められます。

  • ※健康保険組合が規約で定めた場合は、②より①が高い場合でも、①の標準報酬月額を算定の基礎とすることができます。

保険給付の内容

出産手当金と傷病手当金は支給されません。それ以外は法定給付・付加給付ともに在職中と同様に支給されます。

  • ※資格喪失後の給付に該当する場合は、出産手当金と傷病手当金も支給されます。

任意継続被保険者の資格を失うとき

次の事由に該当した場合は、該当するに至った日の翌日(4、5の場合はその日)に任意継続被保険者の資格を失います。

  • 被保険者となった日より起算して2年を経過したとき
  • 死亡したとき
  • 保険料を指定された納付期日までに納めないとき
  • 再就職して、他の健康保険等の被保険者となったとき
  • 後期高齢者医療制度の被保険者等となったとき
  • 任意継続被保険者でなくなることを申し出た場合、その申し出が受理された日の属する月の末日が到来したとき

退職した後も給付を受けられます

退職前に継続して1年以上被保険者期間があった人は、資格喪失後も、傷病手当金、出産育児一時金、出産手当金、埋葬料(費)を受けられる場合があります。

退職したあとの給付(本人のみ。被扶養者への給付はありません)

傷病手当金

支給の条件

退職時に傷病手当金を受給中または受給要件を満たしていて、引きつづきその病気やけがの療養のために働けない場合

資格喪失時に傷病手当金を受給しているか、または受給条件を満たしていること。(なお、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないため、資格喪失後(退職日の翌日)以降の傷病手当金はお支払いできません。)

例:平成29年3月31日退職日

3月28日 労務不能であると医師が認めており、療養のため労務に服していない(公休、欠勤、有給休暇)→3日連続の待機期間完成
3月29日
3月30日
3月31日 退職日当日は労務不能であると医師が認めており、療養のため労務に服していない(公休、欠勤、有給休暇)
  • ※退職日前日までに待機期間が完成しており、退職日は療養のため労務に服していないため、退職後も療養を行う場合は継続して傷病手当金の請求ができる。
  • ※退職後、失業給付を受給している場合、傷病手当金の請求はできません。雇用保険の失業給付は、労働(労務)の意思があって働ける状態にあるにも関わらず、職に就くことができない場合に受けられる給付制度です。雇用保険を受給できる(働ける)状態であれば、傷病手当金の請求対象外となります。
支給される期間

傷病手当金の支給開始日から支給期間を通算して1年6ヵ月間

  • ※老齢厚生年金等を受給している場合、傷病手当金は支給されませんが、老齢厚生年金等の額が傷病手当金よりも低額な場合は、差額が支給されます。
  • ※退職後に労務可能となった場合、退職後の継続給付は終了します。治癒しているか否かを問わず、同一の疾病等により再び労務不能となっても支給期間の通算化はされません。
参考リンク

出産手当金

支給の条件

退職日に出産予定日または実出産日以前42日(多胎の場合は98日)を経過している、かつ退職日に労務に服していない場合。

参考リンク

出産育児一時金

支給の条件

資格喪失後6ヵ月以内に出産した場合

参考リンク

埋葬料(費)

支給の条件

被保険者であった人の死亡が下記のいずれかに該当する場合

  • 資格喪失後3ヵ月以内の場合(1年以上の被保険者期間は必要なし)
  • 傷病手当金、出産手当金を受給中の場合
  • 傷病手当金、出産手当金の受給終了後3ヵ月以内の場合
参考リンク